皆さんは、「後縦靭帯(こうじゅうじんたい)骨化症」という病気をご存じですか?
首の靭帯が骨になり脊髄を圧迫する首が原因の病気です。放っておけば、首や背中、腕や手指のしびれや痛み、進行すると歩行障害や排せつ障害を起こす。可能性があるそうです。なにやらこわいですね。
後縦靭帯骨化症とは
椎体の後面を縦に走る靭帯は後縦靭帯と呼ばれ、頚椎、胸椎、腰椎のすべての脊椎を縦に連結しています。
原因は不明ですが、この後縦靭帯が骨に変化(靭帯骨化)する病気です。年齢とともに、いろいろな靭帯が骨化することはよくあり、なんの症状もないことがほとんどですが、後縦靭帯は、その位置自体が問題を大きくしているようです。
後縦靭帯は、脊髄の通り道である脊柱管の前壁にあるためこの靭帯が骨化して、年齢とともに厚みを増してくると、脊柱管が挟くなって、脊髄の圧迫症状をおこすことになります。
後縦靭帯骨化症の歴史は浅く、1960年から注目されるようになりました。東洋人、なかでも日本人に多くみられ、糖尿病や肥満体型の人にとこりやすい傾向があります。
年齢とともに発生頻度が増し60歳以上では、約一割の人にみられるという報告もあります。
頚椎、ついで胸椎に多く(頚椎部は男性に、胸椎部は女性に多い)、ほかの脊柱靭帯骨化症を合併していることも少なくありません。
原因究明と治療法の開発にむけて精力的な研究が行なわれており、厚生省の特定疾患(難病)に指定されています。
症状の重い人や、手術を受ける人には、治療費の公的補助か受けられます。病院を受診すると、症状に応じて特定疾患認定のための手続き方法を教えてくれます。
後縦靭帯骨化症の症状
後縦靭帯骨化症は変形性脊椎症による脊髄症状とほとんど同じような症状がみられます。その主な症状は
1.手指の運動障害(はしを使うなどの細かい動作がしにくい)
2.歩行障害(足ががくがくして歩きにくい)
3.膀胱障害(尿が出にくくなる)
4.知覚障害(手足のしびれ)
また、くびの動き、とくに前に曲げたり後ろにそらしたりする動きの範囲が狭くなります(頚椎可動域制限)。
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きょうの健康
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2012-10-11 |
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